海底書房海底書房

春を待ちながら

2019年3月24日の第三回文学フリマ前橋で初頒布したものです。 避けられない別れ、関係性の変化、それに付随する感情。 卒業式の雰囲気をテーマにした140字小説集。短歌も少し。 ・サイズ:A7 ・頁数:36頁 ・コピー本(無線綴じ製本) 以下、試し読み。 ・140字小説  晴れやかな表情と、どこか浮き足立った雰囲気。友達と肩を叩き合うあの人も、明るく笑っている。  この教室を出たら、きっと、もう会うことはない。そう思うと脚が動かなかった。  毎年待ちわびていたはずの春が、今はこんなにも憎い。桜の花びらみたいに舞った雪に、まだ消えないで、とこっそり祈った。 ・短歌 「これかなぁ」慣れぬ様子で花選ぶ学生服の君に幸あれ 見慣れない色の洪水目が眩むおまけのリボンに貰った勇気

2019年3月24日の第三回文学フリマ前橋で初頒布したものです。 避けられない別れ、関係性の変化、それに付随する感情。 卒業式の雰囲気をテーマにした140字小説集。短歌も少し。 ・サイズ:A7 ・頁数:36頁 ・コピー本(無線綴じ製本) 以下、試し読み。 ・140字小説  晴れやかな表情と、どこか浮き足立った雰囲気。友達と肩を叩き合うあの人も、明るく笑っている。  この教室を出たら、きっと、もう会うことはない。そう思うと脚が動かなかった。  毎年待ちわびていたはずの春が、今はこんなにも憎い。桜の花びらみたいに舞った雪に、まだ消えないで、とこっそり祈った。 ・短歌 「これかなぁ」慣れぬ様子で花選ぶ学生服の君に幸あれ 見慣れない色の洪水目が眩むおまけのリボンに貰った勇気